AIで経理はなくなってしまうのか・・・?
AI、人工知能の登場で世の中にある職業の50%がなくなる・・・。
そんなニュースを見た方も多いと思います。その中には経理や会計の仕事もリストアップされていました。確かに時代が変化していく毎に職業として成り立たなくなってしまったものはあります。
ですが、経理や会計の仕事が果たして人間からAI、人口知能に取って変わられてしまうのか?
今回は今も現役で経理の仕事をしている僕が現場目線から考察してみました。
昔も経理はなくなると言われていた・・・。
実は最近のAI、人口知能ブームになる以前に現在ほとんどの企業に導入されている弥生会計、勘定奉行などのいわゆる会計システムが世の中に出回り始めた時にも経理の仕事はなくなると議論になりました。
確かに自動で決算書や税務申告書を作成できるので、かなり便利になりコスト、人件費の削減などには役立ったと思われるのですが現在、経理の現場で会計システムが人間に取って変わって仕事をこなしている企業はないでしょう。
あくまでも現段階では「なくなるのではないか?」という憶測でしかないのです。それは他のなくなると言われている職業にも当てはまります。まだ絶対なくなるとは誰も断言はできません。
確かに経理の仕事においても末端に当たるデータ入力などの繰り返し同じ事が行われる単純作業はAIやロボットに代替される可能性はあるでしょう。現に僕のいる現場でもそのようなプロジェクトは進みつつあります。
ですが、経理の仕事は単純作業だけではなくいろいろと多岐に渡るので、全く人間がいらなくなるというのは現時点ではないと考えていいでしょう。
AIやロボットはまだまだ人間の便利な道具、ツールの域を出ているとは言えません。
AIは疑問を持てない
AIや人口知能、ロボットは人間と違い対象事象に対して疑問を持つ事がありません。
要は人間のように考えながら仕事をしているのではなく、プログラミングで命令された事しかしないし、できないのです。
「何故、このようになっているのだろう?」と疑問を持つ事なく命令された事を淡々と処理していくだけなのです。ですので、データ処理などのスピードは人間の数十倍、数百倍でこなす事はできます。
命令された事に対しては判断できるのですが、それ以外の事は手も足も出ないのです。
例えば、業務上の改善点やそれに対する改善案、業務の効率化などの方法を提案していく事はAI、ロボットにはできないのです。やはりそういった業務は疑問を感じる事のできる人間しか出来ない事です。
経理や会計の仕事は特に効率化や改善を強く求められるので、まだまだ人間の知恵や意見などが必要なのです。
AI時代の経理の働き方とは?
これからはデータ処理や仕訳伝票作成などの経理事務などはAIやロボットに置き換わる可能性は高いと言えます。
これから経理職に就きたい方や現在、経理事務に従事している方の中には、これから経理をやっていて大丈夫か?と不安になる方もいるかもしれません。
AI時代に生き残るにはどうすればいいのか?
それは経理事務などの作業スタッフレベルから脱却して、ワンランク上のマネージャー、管理職レベルにまでキャリアを上げていく事です。
会社の経営に直結するようないわゆる管理会計という分野に精通していく事が重要です。
この管理会計はマネジメント会計とも呼ばれていて主として、会計情報を経営管理者の意思決定や組織内部の業績測定・業績評価に役立てることを目的としています。
AIやロボットはまだまだ経理分野においては事務作業レベルの域を出ていません。ですので企業側も利益管理や経営管理のところまでAIに一任する事はできないですし、将来的な経営判断などもまだまだ人間に頼らざるを得ません。
この管理会計に携わるには社内で出世をするという方法もありますが、やはり自身がこの分野においてスキルアップを図っていく事が何よりも重要であると言えます。
※参考記事
経理に資格は絶対必要ではない!それより実務経験が何よりも重要なんです。
いま経理に携わっている人も、これから経理職へ転職を考えている人もやはりこれからは管理会計を担当するマネジメントレベルまで目指しましょう。そこまでいけばもう食べていくには困らないと思いますし、いざ転職となった時もあなたを迎え入れてくれる企業はかならずありますよ。
先の事は誰も分からない。
結論から言いますとすぐに経理の仕事がなくなるとは言い難いでしょう。
この先AIやロボットがどのように進化していくのかまだ誰にも分からないのが現状です。ですので、あまりよく分からない事に対して不安になっても仕方ありません。
※参考記事
自分の身は自分で守る!日本のサラリーマンの今後の働き方について
とは言ってもAIやロボットができる事しかできないというのであれば、それはそれで考えものですよね?いつの時代も自分磨きを怠る人は置いてきぼりにされる可能性は高いです。
どんな時代になろうとも必要とされる人財になる為にこれからはより一層勉強し続けていかなければなりません。それが来たるAI時代に生き残る術ではないでしょうか?
それでは今回はこの辺で!